中高年登山者のみなさんは、いつもどのぐらいの速度で歩いていますか?歩くのが速すぎて、途中で苦しくなったり、息切れしたりしていませんか?または遅すぎて時間通りに目的地に着かないなんていうことはありませんか?
中高年登山者の方の歩く速度を見ていて、一番よく目にするのは前半戦に頑張りすぎて、途中で苦しくなり、最後は10歩進んでは休んでを繰り返し、大幅に目標時間をオーバーして目的地にたどり着くというケースです。
今日は中高年登山者がどんなペースで歩けばよいかを説明していきます。
特に男性登山者は、出だしから飛ばす傾向が伺えます。朝、スタートから1時間、そして特に30分は遅すぎるぐらいゆっくり歩き始めましょう。
「このペースでは着かないのではないかな?」ぐらいのペースがちょうどよいのです。【亀の歩行】です。
この30分で体を目覚めさせます。朝はまだ筋肉も温まっていないし、体のあちらこちらが眠っています。これを急激に目覚めさせてしまうと、長い一日の行動がうまくいきません。慎重すぎるぐらいたくさんの時間を、ウォーミングアップに費やしてあげる必要があります。
おおよその目安は時速2~2.5㎞ぐらい、それはどんな速度かというと、まったく呼吸が苦しくならないペースです。速く歩きたくなるのを我慢して、このペースで歩き続けましょう。一日をうまく歩きとおせるかは、朝の1時間にかかっているのです。
スタートから30分経ったら、水分を軽く含んだり、上着を調節するなどしましょう。あまり長くは休まないように。次の30分間は少しだけ速度を速めてみましょう。そして速すぎかなと思ったら、すぐに速度を落とすこと。
決して焦ってはいけません。
一日は長いのです。朝の一時間に速く歩いても、その後に速度低下してしまうようなら意味がありません。一日の巡航速度を軽快に、一定に保つための準備が、最初の1時間にやることなのです。
最初の30分に比べて、気持ちスピードを速めてみましょう。まだここもウォーミングアップの段階ですから、決して呼吸が荒くなったりしないように気を付けてください。体が温まるのはOKですが、呼吸は乱れないようにご注意を。
スタートから30分経ったら、水分を軽く含んだり、上着を調節するなどしましょう。あまり長くは休まないように。次の30分間は少しだけ速度を速めてみましょう。そして速すぎかなと思ったら、すぐに速度を落とすこと。
決して焦ってはいけません。
一日は長いのです。朝の一時間に速く歩いても、その後に速度低下してしまうようなら意味がありません。一日の巡航速度を軽快に、一定に保つための準備が、最初の1時間にやることなのです。
最初の30分に比べて、気持ちスピードを速めてみましょう。まだここもウォーミングアップの段階ですから、決して呼吸が荒くなったりしないように気を付けてください。体が温まるのはOKですが、呼吸は乱れないようにご注意を。
1時間弱歩いたら、最初の休憩をとります。のどが渇いていなくても水分補給をしましょう。一回の休憩では100ml~150mlぐらいを目安に、のどに染み込ませるように、水分を補給します。朝ごはんをあまり食べられなかった人は、ここで少しエネルギー補給をしましょう。
そしてこの頃には、体のウォーミングアップは完了しています。いよいよ巡航速度に近づけて速度を調整します。ここで気を付けてほしいことがあります。決して歩幅を大きくしないでください。
速度が上がっても、1歩1歩の歩幅はできるだけ細かく刻みましょう。膝を高く上げれば上げるほど、脚の疲れは早く来てしまいます。そして呼吸も乱れてしまいます。日常生活ではまずやらないであろうぐらいの、小さな歩幅で進んでいきます。
出発から1時間~2時間で、巡航速度に乗ります。この時も体の調子に耳を傾けてください。
呼吸は苦しくないか?
太ももは苦しくないか?
心臓の鼓動は激しくないか?
こういったことを常にチェックしながら歩き続けます。
中高年登山者に最適な歩行速度は、1時間当たりの高度差(標高差)200~300mぐらいがお勧めです。
毎時200m上がれば、5時間で標高差1,000mを登ることができます。
毎時250m上がれば、4時間で標高差1,000mを登ることができます。
標高差1,000mを登ることを想像すると、果てしない試練のように感じますが、速度を管理して歩けば、到着時刻が読めるし、達成可能な目標に変えることができます。この歩行速度(登高速度とも言います)は、どのようにして図ればよいでしょうか。
それはスマートフォンにあらかじめ入れておく、地図アプリ(GPSアプリ)で知ることができます。または腕時計の高度計を見ながら、速度を調整していくこともできます。
私の使用している地図アプリ、「ジオグラフィカ」なら、ログの記録をオンにするだけで、5分おきや10分おきに音声で登高速度を知らせてくれます。
また、高度計付きの腕時計の中には、登高速度を表示する機能が付いたものも発売されています。それらを使って客観的に速度を計りながら登ることが大切です。
それでは実際に山を歩くことを想定して、朝のスタートからどのように行動すれば、一日を無理なく適正時間であるくことができるか、一緒に見ていきましょう。
①スタート~30分
出だしのルートが平坦であればいうことはありませんが、そうとも限りません。いきなり勾配のきつい登りからスタートすることもありますよね。もし平坦なルートであれば、子犬の散歩をイメージして、ゆっくりゆっくり歩きだしましょう。また、勾配のきついルートであれば、早速高度計や地図アプリの登高速度を頼りに歩きます。この時の登高速度は、100m/時ぐらいを目安に。
30分で、3分休憩:水分補給・衣服調整
②30分~55分
第二のウォーミングアップです。速度に揺さぶりをかけます。決して呼吸が荒くならない程度に。この時の速度目安は150m/時ぐらい。
5分休憩:水分補給・エネルギー補給
③1時間~1時間50分
目標の巡航速度に合わせていきます。呼吸の乱れがでないよう気を付けて。そして歩幅は小さく。
10分休憩:水分補給・エネルギー補給・膝周りのマッサージ
④2時間~2時間55分 ー ③と同じように歩きます。
⑤3時間~3時間50分 ー ③と同じように歩きます。
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上のパターンで一日の間、休憩と行動を繰り返します。
休憩は1回目に5分とったら、次は10分、その次は5分というように中休憩と小休憩を交互に挟みます。
ここは体調に合わせて休憩時間を調整してください。4時間ほど歩いたところで、少し長め(長くても20分)に休憩をとってもOKです。
息切れすることなく、足に痙攣をおこすことなく、無事に目的地に到着することが、中高年登山者の安全登山にとても重要なことです。
今回紹介したように、自身の歩くスピードを数値化することで、「この速度で歩けば、目的地まで~時間で着く」という計算がたちます。そうすることで、果てしない戦いをしなくてすむのです。「あと何時間歩けば目的地につくか分からない」状態で歩いていると、不安ばかりが増幅し、つい歩く速度があがり、歩き方も雑になってきます。
そうすると体力が急激に落ちたり、怪我をしてしまったりということになりかねません。
このように計器飛行することで、確実なステップを刻むことができ、精神面でも安全管理面でもゆとりを持って行動できるようになります。
大きな山、例えば槍ヶ岳や剱岳、奥穂高岳などの登頂を目標にしている方は、トレーニング山行で行く山は、標高差が1,000m程度の場所を選びましょう。
標高差1,000を1日で上り下りすることができる実績を作っておくと、大概の山は安全に行って帰って来られるようになります。
体力と客観的数値による計器飛行登山を実践して、今夏の登山を安全に楽しみましょう!!