ガイド記録 西穂-奥穂縦走(ジャンダルム)【2022年8月8日】

ガイド記録 西穂-奥穂縦走(ジャンダルム)【2022年8月8日】

2022年8月10日

今や本家の奥穂高岳よりも人気が出ているジャンダルム。8月8日の月曜日に歩いてきました。

タイムライン

8月7日 16:00 西穂山荘チェックイン

8月8日

  04:10 西穂山荘発

  05:01 日の出

  06:46 西穂高岳

  08:25 間ノ岳

  09:32 天狗の頭

  12:09 ジャンダルム

  14:30 奥穂高岳

  15:20 穂高岳山荘着

記録

槍穂高連峰は“雷街道”と言われるぐらい、雷が多い地域だ。午前中どんなに天気が良くても、正午ぐらいから急速に入道雲(積乱雲)が発達して、昼過ぎから雷鳴が轟くことが多々ある山域。

その為我々は朝4時過ぎに西穂山荘を出発した。

独標への登り途中に日の出を迎える。

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すでに我々よりも少し早く出発したパーティが、独標の上にいるのが見えた。

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↑独標への登り

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↑こらから越えるべき13個のピーク群

西穂高岳から先は、槍・穂高連峰最難の登山道。生半可な気持ちでここから先へ行くことはとても危険。体力と技術・体調・天候条件が揃ったときにのみ成功への扉は開かれる。

エスケープルートは唯一、天狗のコルからの岳沢への道のみ。ただしこれも簡単に下れるわけではない。

入念な準備をした登山者のみに進入が許されるルートだ。

沢山の、これでもかというほどのアップダウンが我々を待ち受けている。

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↑こんな急傾斜な場所が連続する。

垂直に近い鎖場をいくつも越える。そして序盤の難所として有名な、天狗の頭への登りにある、逆層スラブ。ここは傾斜は正直言って大したことない。岩が乾いていればどうってことない。しっかりとした鎖が垂れ下がっているので、おちついて一歩一歩進んで行けば大丈夫。

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ただし、濃霧や雨でいったん路面がぬれてしまうと、こんなに恐ろしい場所はないであろう。

最低コルである、天狗のコルから後半戦が始まる。ジャンダルムへの標高差330mの登りは、かなり体力を消耗させられる。

我々がこの急な坂を登っている頃から、ガス(霧)が濃くなってきて、視界はかなり遮られるようになってきた。

目の前にジャンダルムが見えたら、その頂へ行くにはいったん縦走路から外れて、左の方へ回り込む。ジャンダルムそのものへの上り下りはメイン縦走路に比べれば、難しくはない。

もはや何も見えなくなってしまった中、ジャンダルムへ登頂。

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5分ほど休んだ後、一旦登ってきた道を引き返す。

そしてここからがこの縦走路の真の難所の始まりだ。

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↑ジャンダルムを右へトラバース。右側は岳沢へ1,000m切れ落ちる断崖絶壁。くれぐれも足運びは慎重に。

そしてロバの耳の通過。この近辺が一番危険度が高い。急峻な鎖場の下りが続き、どんどん標高を下げる。視界が悪いので、ルートファインディングを慎重にしながら進んで行く。

いったいいくつ鎖場を通過しただろうか。ようやく下り切った所から、今度は鎖場の登りが続く。

そして最後の砦である、“馬の背”。

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↑このギザギザの稜線の上を登っていく。

我々がちょうど馬の背の基部にたどり着いたとき、濃霧の中で小雨が降り始めた。

カッパを着た方が良いが、身支度をしているうちに路面がドンドン濡れて危険度が増してしまうので、路面が濡れきる前に馬の背に突入。

およそ30mロープで2ピッチ分を、隔時登攀(スタカットクライミング)で登る。

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そしてようやく道が穏やかになり、奥穂高岳頂上への最後の登り。

10時間のハードな行程の末、ようやく頂上へ到着し、お客様と固い握手を交わした。

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奥穂高岳から穂高岳山荘への下り道は、ジャンダルムを越えてきた人にとっては易しいが、体力を使い切っているので念のためロープを繋いで下る。

膝も疲れ果てガクガクになるころ、ようやく穂高岳山荘に到着。長い1日が終わった。