山梨県甲府市の北にある太刀岡山は、山登りやクライミングができる場所として人気です。ここにハサミ岩という大きな岩壁があります。その岩壁の左端のリッジラインを登るのが、左岩稜です。下半部はクラッククライミング、上半部はリッジクライミングと、上下で全く異なる表情を持つのが、このルートの特徴です。クラックのピッチでは、壁の傾斜は垂直前後で、あらかじめクラック技術を磨いておくことが必要です。
太刀岡山駐車場から、車道を上流側に200m行ったところで小川を渡る。アルミ梯子が架けてあるので、これを使って渡る。その後廃屋が数棟ある所を通り過ぎ踏み跡づたいに歩いていくと左岩稜基部に出る。駐車場から取付きまでおよそ10~15分。
↑アプローチのログ
1ピッチ目 20m 5.9 出だしは非常にバランスの悪いクライミングから始まる。体も温まらない内なので動きは慎重に。早めにカムやナッツで中間支点を。ガチャガチャした壁を中間のテラスまで上がった後、そこからとても綺麗なハンドクラックを登る。ここにはカム#3が2個あると安心だ。クラックの上にある立ち木でビレイ。
2ピッチ目 20m 5.7 コーナーのダブルクラックを登る。バック&フットやハンドジャムなど、色々なクラック技術を使って登れる。クラックの中にはとても良いホールドも隠れている。
3ピッチ目 20m 5.8 傾斜の緩いハンドクラックから、最後はスクイーズチムニーを突破してスラブへ。スクイーズチムニーは左から迂回することも可能。
4ピッチ目 20m Ⅲ 4ピッチ目からは傾斜がぐんと落ちて、リッジクライミングとなる。各ビレイポイントはしっかりとしたボルトが設置されている。
5ピッチ目 40m 5.5または5.7 左のクラックから登れば5.7、右のスラブから登れば5.5。この先クライミング要素は少なくなるので、左のクラックを楽しむのがお勧め。
6ピッチ目 30m Ⅳ 非常に高度感があるナイフリッジを越える。難しくはないが慎重に。
7ピッチ目 40m Ⅲ⁺ 易しいリッジ。
8ピッチ目 20m Ⅰ ほぼ歩き。最後の頂上フェイスの下でビレイ。
9ピッチ目 15m 5.8 ホールドは細かいが、ボルトなどのプロテクションはしっかりしているので、思い切って核心部を突破したい。岩の最高部のアンカーでビレイ。
ルート終了点から逆側へ懸垂下降(15mほど)すると、広場に降りる。登山道が横切っているので、これを使って駐車場へ歩いて戻る。
↑2ピッチ目のダブルクラック 傾斜は強いが足を突っ張ったりクラックの中のホールドを掴んだりすればそれほど難しくない
↑3ピッチ目の後半(スクイーズチムニーの上)
↑上半部はこのようなリッジクライミングがしばらく続く
↑最終ピッチのフェイスクライミング 見晴らしも良くとても気持ち良い
岩はとても硬く、快適なクライミングができます。4ピッチ目からは展望が開け、高度感を楽しみながらのリッジクライミングとなります。
下半部は完全なるクラッククライミングなので、クラック技術必須です。
帰りに歩いて帰って来られるのがとても良いです。