お客様1名と瑞牆山にある入門者向けルート、Joyful Momentを登ってきました。全5ピッチ、ピッチグレード5.9のマルチピッチルートです。ガイドの佐藤裕介さんが数年前に開拓した好ルート。長くはないですが、ロケーションがよく、クラックもハンドサイズからワイドサイズまであり、とても奮闘的なルートです。
後続のパーティがいるので、我々は1ピッチ目と2ピッチ目を繋げて登りました。といっても2ピッチ目はわずか5mほど。
1ピッチ目は5.9の左上グルーブ(浅い溝)をトラバース。ジャミングはほぼ決まらないので、あまいホールドをパーミングしたり、右足をグルーブにねじ込んで(ヒールフックやヒール&トウ)体を安定させます。体は思い切ってフェイスに出すと、左足が壁にスメアリングできます。
2ピッチ目は5mほどの四つん這いトラバース。窮屈な態勢を強いられますが、少しの間なので何とか落ちないように進みます。松とさびたリングボルト1本を使ってビレイ。
3ピッチ目、フレーク状のホールドが続くピッチ(5.9)。ルート中で一番傾斜がありますが、ホールドが良いのでガシガシ掴んで登っていきます。上の写真、クライマーがいる辺りから我々は右上バリエーションを登りました。それほどランナウトもせず、快適にビレイポイントへ。ここはしっかりした立ち木でビレイ。
4ピッチ目はワイドクラック。傾斜はやや緩めですが、ワイドクラック慣れしていないクライマーには少し辛いかもしれません。ですがクラックの奥は狭まっていて、ハンドジャムやフィストジャムがよく決まります。リービテーションはついに1度も使いませんでした(笑)。 さびた2本のリングボルトでビレイ。
5ピッチ目は簡単な緩傾斜から3mほどのクラックを経て岩峰頂上へ。このクラックは5.7ですが、2手ほど少しだけ気合いがいります。
そして終了点到着。ガスガスの中周りの景色は見えず、高山帯でのクライミングの様でした。
下降は慎重にクライムダウンからのトンネルくぐりを経て、すぐに安全な土の斜面へ。そこから10分もくだらない内に取付きへ戻りました。
10:15 みずがき山自然公園駐車場出発
12:05 登攀開始
13:40 登攀終了 (登攀時間 1h35m)
14:00 取付き
15:10 みずがき山自然公園駐車場
岩の形状がナチュラルにクライマーを導いてくれる好ルート。5.6~5.9と易しいグレードが付いていますが、クラックの練習を十分積んでから登る必要があると思います。
ビレイポイントのリングボルトは昔打たれた物のようで、腐りかけてます。心配な時はためらわずにナチュラルプロテクションでバックアップを設置する必要があります。
8.6㎜シングルロープ50m×1
カム #0.4~3×2セット、#4~5×1セット